職場でパワハラを受けると、「自分が悪いのかもしれない」と悩んだり、仕事に行くことがつらくなったりすることがあります。
誰にも相談できず、一人で我慢し続けてしまう人も少なくありません。しかし、パワハラは我慢すれば解決するとは限らず、心や体に大きな負担を与えてしまうこともあります。
大切なのは、今の状況を冷静に整理し、自分を守るための行動を取ることです。証拠を残したり、信頼できる人に相談したりすることで、状況が改善する可能性があります。また、必要に応じて異動や転職を考えることも、自分を守るための大切な選択肢です。
この記事では、職場でパワハラを受けたときの対処法7選をはじめ、証拠の残し方や相談先、辞めるべき判断基準について分かりやすく解説します。今のつらい状況を少しでも改善し、自分らしく働くためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
パワハラとは?どこからがパワハラになる?

「厳しく指導されただけなのかな」「これくらいは我慢するべきなのかな」と悩み、自分が受けている行為がパワハラなのか判断できない人もいるでしょう。
パワハラとは、職場での立場や人間関係を利用して、相手に精神的・身体的な苦痛を与えたり、働く環境を悪化させたりする行為のことです。業務上必要な指導であっても、その方法や内容が行き過ぎている場合は、パワハラに該当する可能性があります。
ここでは、代表的なパワハラの例を紹介します。
暴言や人格を否定する発言
大声で怒鳴る、必要以上に叱責する、「役に立たない」「辞めたほうがいい」など人格を否定する発言は、精神的な苦痛を与えるパワハラに該当する可能性があります。
仕事のミスを指摘することと、相手の人格を傷つけることは別の問題です。指導の範囲を超えた発言が繰り返される場合は注意が必要です。
無視や仲間外れにする
あいさつを返さない、仕事に必要な情報を共有しない、意図的に会話へ入れないなどの行為もパワハラになることがあります。
職場で孤立すると、仕事が進めにくくなるだけでなく、大きな精神的ストレスを感じてしまいます。
明らかに無理な仕事を押し付ける
一人では終わらない量の仕事を与えたり、達成が難しいノルマを課したりすることも、状況によってはパワハラに該当します。
適切な指導や業務命令と、嫌がらせを目的とした過度な要求は区別して考えることが大切です。
能力とかけ離れた簡単な仕事しか与えない
反対に、本来の業務を与えず、単純作業だけを繰り返し任せたり、仕事をまったく与えなかったりする行為もパワハラにあたる可能性があります。
働く機会を不当に奪われることで、自信を失ったり、職場に居づらさを感じたりする原因になります。
プライベートに過度に干渉する
休日の予定や恋愛、家族のことなどを必要以上に聞いたり、プライベートな情報を無理に話させたりすることも、パワハラと判断される場合があります。
職場では、お互いの人格やプライバシーを尊重することが大切です。
「これくらいなら仕方ない」と一人で抱え込まず、自分が受けている行為が適切な指導なのか、それともパワハラにあたる可能性があるのか、一度冷静に振り返ってみましょう。
パワハラを受けたときによくある心理状態

パワハラを受け続けると、心に大きな負担がかかります。
最初は「少し嫌だな」と感じる程度でも、同じことが繰り返されるうちに、自信を失ったり、仕事そのものがつらく感じたりすることがあります。
ここでは、パワハラを受けた人によく見られる心理状態を紹介します。
精神的につらくなる
パワハラを受けると、不安や緊張が続き、精神的に疲れやすくなります。
会社へ向かうことを考えるだけで気分が重くなったり、休日も仕事のことが頭から離れなかったりすることもあるでしょう。
つらい気持ちを我慢し続けると、心身の不調につながることもあるため、早めに対処することが大切です。
自分が悪いと思ってしまう
何度も強い口調で責められると、「自分のせいなのかもしれない」と考えてしまうことがあります。
もちろん、仕事で反省すべき点がある場合もあります。しかし、必要以上に人格を否定されたり、繰り返し傷つくような言動を受けたりすることは、適切な指導とは言えません。
一人で抱え込まず、信頼できる人に状況を話してみることで、客観的に状況を見つめ直せることもあります。
仕事へのやる気を失う
どれだけ頑張っても否定されたり、認めてもらえなかったりすると、仕事への意欲が少しずつ失われてしまいます。
「頑張っても意味がない」と感じるようになると、新しい仕事への挑戦や成長への意欲も低下し、本来の力を発揮しにくくなります。
会社を辞めたいと思う
パワハラが続くと、「この会社を辞めたい」と考えるようになる人も少なくありません。
毎日つらい思いをしながら働き続けることは、大きなストレスになります。
実際に、人間関係が原因で転職を選ぶ人は多くいます。職場を離れることは決して逃げではなく、自分の心と体を守るための選択肢の一つです。
無理を続けるよりも、自分が安心して働ける環境を探すことも大切にしてください。
職場でパワハラを受けたときの対処法7選

パワハラを受けていると、「我慢するしかない」と思ってしまうかもしれません。しかし、一人で抱え込み続けると、心や体への負担が大きくなる可能性があります。
大切なのは、自分を守るために少しずつ行動することです。ここでは、パワハラを受けたときに実践したい7つの対処法を紹介します。
① パワハラの証拠を残す
パワハラを受けたら、できるだけ早い段階で証拠を残しておきましょう。
証拠があることで、会社へ相談する際や、必要に応じて外部機関へ相談する際に、状況を客観的に伝えやすくなります。
例えば、次のようなものが証拠になります。
- パワハラの内容を日時とともに記録したメモや日記
- 会話を録音した音声データ
- メールやチャット、LINEなどのやり取り
- ケガや体調不良がある場合の診断書
- パワハラを目撃した人の証言
記録を残すときは、「いつ」「どこで」「誰から」「どのような言動を受けたのか」をできるだけ具体的に書いておくことが大切です。
「後でまとめて書こう」と思うと細かな内容を忘れてしまうこともあるため、気づいた時点で記録することをおすすめします。
② 信頼できる人や相談窓口に相談する
パワハラを受けていると、「相談しても変わらないかもしれない」と感じることがあるかもしれません。しかし、一人で抱え込まず、誰かに相談することは問題解決への大切な一歩です。
まずは、信頼できる上司や人事担当者、社内の相談窓口に現状を伝えてみましょう。その際は、記録しておいた証拠があると、状況を具体的に説明しやすくなります。
社内で相談しにくい場合は、外部の相談窓口を利用する方法もあります。一人で悩み続けるよりも、第三者の意見を聞くことで、今後どのように行動すればよいかが見えてくることもあります。
相談することは決して弱さではありません。自分の心と体を守るためにも、安心して話せる相手を見つけることが大切です。
③ 相手には冷静に意思を伝える(状況に応じて)
状況によっては、自分の気持ちを冷静に伝えることで、相手の言動が改善することもあります。
例えば、「そのような言い方をされると萎縮してしまいます」「業務の改善点を具体的に教えていただけると助かります」と伝えることで、相手が自分の言動を見直すきっかけになる場合があります。
ただし、相手が感情的になりやすい場合や、伝えることで状況が悪化する可能性がある場合は、無理に直接話す必要はありません。そのようなときは、一人で対応しようとせず、上司や人事担当者など第三者に間に入ってもらうことも検討しましょう。
大切なのは、自分の安全や心身の健康を最優先に考えることです。
④ 会社に改善を求める
パワハラの問題は、当事者同士だけで解決することが難しい場合があります。
相手に直接伝えても改善しない場合や、精神的な負担が大きい場合は、会社に対応を求めることも大切です。
相談先としては、以下のような場所があります。
- 人事部
- 上司のさらに上の管理職
- 社内の相談窓口
- コンプライアンス担当部署
会社へ相談するときは、感情だけを伝えるのではなく、「いつ」「どこで」「誰から」「どのような言動があったのか」を具体的に説明すると、状況を把握してもらいやすくなります。
また、会社には働きやすい環境を整える役割があります。自分だけで解決しようとせず、利用できる制度や窓口を活用しましょう。
⑤ 心身に不調がある場合は医療機関を受診する
パワハラによるストレスは、心だけでなく体にも影響を与えることがあります。
例えば、
- 眠れない日が続く
- 食欲がない
- 仕事のことを考えると強い不安を感じる
- 常に疲れを感じる
- 気分の落ち込みが続く
といった症状がある場合は、無理をせず専門家へ相談することを検討しましょう。
医療機関を受診することで、自分の状態を客観的に把握できるだけでなく、必要に応じて診断書などの記録を残すことにもつながります。
「まだ頑張れるから大丈夫」と我慢し続ける必要はありません。
仕事を続けるうえで最も大切なのは、自分の健康です。心や体からのサインに気づいたら、早めにケアすることを心掛けましょう。
⑥ 改善しないなら異動・転職を検討する
パワハラについて相談しても状況が変わらない場合は、異動や転職を検討することも大切です。
「辞めるのは逃げなのではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、自分の心や体を守るために環境を変えることは、決して悪い選択ではありません。
同じ職場で我慢し続けることで、仕事への自信を失ったり、体調を崩したりしてしまう可能性もあります。
転職や異動を考える目安として、以下のような状況があります。
- 会社に相談しても改善されない
- パワハラをする人への対応が行われない
- 毎日仕事に行くことが苦痛になっている
- 心身の不調が続いている
- 今後も安心して働ける環境だと感じられない
職場を変えることで、新しい環境で自分らしく働けるようになることもあります。
大切なのは、「今の環境で耐え続けること」ではなく、「自分が安心して働ける場所を選ぶこと」です。
⑦ 将来のためにスキルアップを進める
パワハラを受けると、自分に自信をなくしてしまうことがあります。
しかし、職場での評価や環境だけが、自分の価値を決めるものではありません。
仕事に役立つ知識やスキルを身につけることで、自信が生まれ、将来の選択肢を広げることができます。
例えば、
- ビジネススキルを学ぶ
- コミュニケーション能力を高める
- 資格取得に挑戦する
- 読書やオンライン学習を習慣にする
など、自分自身への投資を始めることがおすすめです。
特にコミュニケーション能力は、職場で良好な人間関係を築くために重要なスキルです。
相手の考えを理解する力や、自分の意見を適切に伝える力を身につけることで、仕事での対応力が高まり、さまざまな場面で役立ちます。
今の環境だけに悩み続けるのではなく、未来の自分のために少しずつ成長していくことも、パワハラに向き合う一つの方法です。
職場での人間関係を改善するためには、相手の考えを理解する力や、自分の意見を適切に伝える力が重要です。
コミュニケーション能力は、経験だけでなく正しい方法を学ぶことで伸ばしていくことができます。
パワハラを受けたときにやってはいけないこと

パワハラを受けていると、どう対応すればよいのか分からなくなり、間違った行動を取ってしまうことがあります。
しかし、対応を間違えると、状況がさらに悪化したり、自分自身がより苦しい思いをしてしまったりする可能性があります。
ここでは、パワハラを受けたときに避けたい行動を紹介します。
一人で抱え込む
「自分が我慢すればいい」「周りに迷惑をかけたくない」と考え、一人で悩み続けてしまう人は少なくありません。
しかし、パワハラは一人の力だけで解決することが難しい場合があります。
誰かに相談することで、客観的な意見をもらえたり、解決に向けた方法が見つかったりすることがあります。
信頼できる家族や友人、職場の相談窓口などに、少しずつでも状況を話してみましょう。
感情的に言い返す
強い言葉を受けると、悔しさや怒りから感情的に言い返したくなることがあります。
しかし、相手も感情的になってしまうと、さらに関係が悪化する可能性があります。
パワハラを受けた場合は、できるだけ冷静に状況を記録し、必要であれば第三者に相談することが大切です。
証拠を残さない
パワハラを相談するとき、客観的な情報があることで状況を理解してもらいやすくなります。
「いつ」「どこで」「何を言われたか」「どのような影響があったか」を記録しておかないと、後から正確に説明することが難しくなる場合があります。
つらい状況だからこそ、できる範囲で記録を残しておきましょう。
無理をして働き続ける
責任感が強い人ほど、「仕事だから頑張らなければ」と無理をしてしまうことがあります。
しかし、心や体の健康を失ってしまうと、仕事を続けること自体が難しくなる可能性があります。
つらさを感じている場合は、休むことや環境を変えることも大切な選択肢です。
自分を守る行動を取ることは、決して後ろ向きなことではありません。
一番大切なのは、安心して働き続けられる環境を作ることです。
パワハラで辞めるべき判断基準

パワハラを受けていると、「このまま働き続けるべきなのか」「会社を辞めた方がいいのか」と悩むことがあります。
仕事を辞めることは大きな決断ですが、無理をして心や体を壊してしまっては、その後の生活にも影響が出てしまいます。
ここでは、転職や退職を考える一つの目安となるポイントを紹介します。
会社に相談しても改善されない
パワハラについて相談したにもかかわらず、会社が何も対応してくれない場合は、環境を変えることを検討してもよいでしょう。
会社には、従業員が安心して働ける環境を整える役割があります。
相談しても状況が変わらない、パワハラをする人への対応が行われない場合は、その職場に居続けることで負担が大きくなる可能性があります。
心や体に不調が出ている
仕事のことを考えると眠れない、食欲がない、常に不安を感じるなど、心や体に変化が出ている場合は注意が必要です。
健康を失ってしまうと、仕事だけでなく日常生活にも影響が出てしまいます。
「まだ大丈夫」と無理を続けるのではなく、自分の状態を優先して考えることが大切です。
毎日会社に行くことが苦痛になっている
朝起きたときに強い憂うつを感じたり、出勤すること自体が大きなストレスになったりしている場合、今の環境が自分に合っていない可能性があります。
仕事は生活のために必要なものですが、苦しみ続ける場所であり続ける必要はありません。
自分が安心して働ける環境を探すことも、前向きな選択です。
将来の成長やキャリアが見えない
パワハラによって挑戦する機会を失ったり、自信をなくしたりすると、将来への不安が大きくなることがあります。
今の職場で成長できる環境があるのか、自分が望む働き方ができるのかを考えることも大切です。
転職は、嫌な環境から離れるだけではなく、新しい可能性を見つけるきっかけにもなります。
大切なのは、「辞めるか我慢するか」の二択で考えないことです。
異動、休職、相談機関の利用、転職など、さまざまな選択肢があります。
自分の心と体を守りながら、これから安心して働ける方法を選んでいきましょう。
パワハラに負けないために自分を成長させよう

パワハラを受けると、自信を失ったり、「自分には能力がないのではないか」と感じたりすることがあります。
しかし、今いる職場での評価や、誰かの心ない言葉だけで、自分の価値が決まるわけではありません。
大切なのは、自分自身の力を少しずつ高め、これからの働き方の選択肢を増やしていくことです。
ここでは、仕事や人間関係で役立つ成長方法を紹介します。
継続的に学び続ける
新しい知識やスキルを身につけることは、自信につながります。
仕事に関する知識を増やしたり、問題解決力を高めたりすることで、職場で起こるさまざまな問題に冷静に対応しやすくなります。
ビジネス書を読んだり、オンライン講座を受講したり、資格取得に挑戦したりするなど、自分のペースで学びを続けていきましょう。
少しずつでも成長を実感できると、前向きな気持ちを取り戻すきっかけになります。
読書で考え方の幅を広げる
読書は、知識を増やすだけでなく、自分とは異なる考え方を知る機会になります。
特に、人間関係やコミュニケーションに関する本を読むことで、相手との関わり方や、自分の気持ちの整理方法を学ぶことができます。
視野が広がることで、つらい状況でも「今の環境だけがすべてではない」と考えられるようになります。
運動や筋トレで心と体を整える
心の状態を安定させるためには、体の健康も大切です。
運動や筋トレを習慣にすると、ストレス発散になり、気持ちをリフレッシュできます。
また、継続して取り組むことで達成感を得られ、自分への自信にもつながります。
小さな習慣でも、続けることで心の支えになることがあります。
コミュニケーション能力を磨く
職場で良好な人間関係を築くためには、コミュニケーション能力が重要です。
自分の考えを分かりやすく伝える力や、相手の話を理解する力が身につくと、仕事でのすれ違いを減らすことができます。
また、適切な距離感で人と関わる力を身につけることで、職場でのストレスを軽減することにもつながります。
コミュニケーション能力は、生まれつき決まるものではなく、学びや経験によって伸ばしていけるスキルです。
資格取得やスキルアップで将来の選択肢を増やす
資格や専門的なスキルを身につけることは、自分の可能性を広げる方法の一つです。
新しい能力を身につけることで、今の職場だけに頼らず、転職やキャリアアップなど将来の選択肢を増やすことができます。
「いつでも環境を変えられる」という安心感は、精神的な支えにもなります。
自分を成長させることは、誰かを見返すためではありません。
これから自分らしく働き、より良い環境を選べるようにするための大切な準備です。
まとめ:パワハラを一人で抱え込まず、自分を守る行動をしよう
職場でパワハラを受けると、「自分が悪いのかもしれない」「もう我慢するしかない」と悩んでしまうことがあります。
しかし、パワハラは一人で耐え続ける必要はありません。
まずは、パワハラの内容を記録して証拠を残すこと、信頼できる人や相談窓口に相談することが大切です。
また、会社に相談しても改善されない場合や、心や体に負担が出ている場合は、異動や転職など環境を変えることも選択肢の一つです。
そして、これから安心して働くためには、自分自身のスキルやコミュニケーション能力を高めることも役立ちます。
仕事で必要な能力は、後からでも身につけることができます。学び続けることで自信が生まれ、将来の選択肢を増やすことにつながります。
職場の人間関係で悩んでいる方や、コミュニケーション力を高めて仕事で活躍したい方は、コミュニケーションスキルを体系的に学べる【コミュトレ】を活用する方法もあります。
大切なのは、つらい環境で無理をし続けることではなく、自分が安心して働ける未来を少しずつ作っていくことです。
この記事が、パワハラに悩んでいる方が一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
