近年、電気代はどんどん上がっており、家計に大きな影響を与えています。
特にエアコン、冷蔵庫、テレビ、洗濯機など、日常的に使う家電が電気代を圧迫しています。
このページでは、電気代を賢く節約する方法を10個紹介し、またその背景にある「電気代値上がりの理由」についても解説します。
【電気代の計算方法】知っておきたい基本

電気料金は以下の式で計算されます。
電気料金 = 基本料金 + 電力量料金 ± 燃料費調整額 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金
電気の使用量(kWh) 電気の使用量(kWh) 電気の使用量(kWh)
× × ×
単価 単価 単価
それぞれの料金について説明します。
基本料金
契約の電気料金メニューの契約容量によって決められます。
基本料金は、電気を全く使わなくても発生する料金であり、電気を使った量に関わらず毎月かかる固定費用です。
電力会社では、電力を安定して各家庭へ届けるために設備投資や人件費などの費用を基本料金という形で請求しています。
電力会社や地域契約内容によって異なりますが、契約のアンペア数が大きくなるにつれて基本料金が高くなります。
多くの電力が必要な世帯や、家族が多い世帯はアンペア数が多く必要になります。
電力量料金
使用した電力量に応じて発生する料金のことです。
契約の電気料金メニューの単価(円/kWh)×月々の使用量(kWh)で計算されます。
電気料金のメニュー単価は、3つの電力量料金単価を設定していることが多く、電気使用量が多いほど電力量料金単価が高くなります。
燃料費調整額
電気を作るための燃料の原油、液化天然ガス(LNG)、石炭などの価格は、市場や為替の影響により変動します。
その価格変動を電気料金に反映させるのが、燃料費調整額です。
燃料費調整単価(円/kWh)×月々の使用量(kWh)で計算されます。
燃料価格が上昇したときには電気料金に加算され、燃料価格が低下したときには電気料金から差し引かれます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギーの固定価格買取制度にもとづき買い取りに要した費用は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として導入されました。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、太陽光、風力など再生可能エネルギーにより発電された電気について、一定期間、固定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けたものです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価(円/kWh)×月々の使用量(kWh)で計算されます。
社会全体で再生可能エネルギーを普及、拡大させていく期待が持てます。
【電気代値上がりの理由】

電気代が高騰している主な理由は以下の通りです。
燃料費の高騰
燃料費の高騰は、電気代に大きな影響を与えています。
日本は火力発電に依存しており、その燃料となる液化天然ガス(LNG)や石炭の価格が急騰しています。
この原因として、新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞した後、供給が追いつかなくなったこと、また、ロシア・ウクライナ戦争によりエネルギー供給が不安定になったことが挙げられます。
さらに、脱炭素社会を目指す動きによって、天然ガスへの需要が高まり、供給不足が深刻化しています。
これらの要因が複合的に作用し、燃料費が高騰する結果、電気料金にも影響を及ぼしています。
電力供給不足
国内の電力供給量は減少しています。
その要因は、2011年の東日本大震災で多くの原発が稼働停止になりました。
また、火力発電もCO2削減が推進されているため再生エネルギーへの移行が進み縮小しています。
電力の供給力不足が電気代を上げる要因になっています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の増加
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及を支援するために導入された制度です。
この賦課金は、再生可能エネルギーによって発電された電力を一定価格で買い取るための費用を消費者が負担する形になっています。
2012年に比べ、賦課金は年々増加しており、2022年には1kWhあたり3.45円に達しました。
今後も、再生可能エネルギーの普及を進めるため、この賦課金は引き続き増加する可能性があり、電気料金全体に影響を与える要因となっています。
消費税の増税
消費税の増税も電気料金の上昇要因の一つです。
2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられた際、電気料金にもこの増税が反映されました。
消費税の増税により、電気料金の総額が2%程度上昇した形となり、家庭の負担が増加しました。
消費税は電力会社が課すすべての料金に適用されるため、基本料金や使用量に応じた電力量料金にも影響を与え、結果的に月々の電気代が高くなる一因となっています。
【電気代節約方法10選】今すぐ実践できる節約術

【電気代節約方法10選】今すぐ実践できる節約術を紹介します。
エアコンの温度設定を見直す
エアコンは、家電製品の中でも上位に電気代を使う家電製品です。
夏に冷房の設定温度を1度上げると約13%程度、冬に暖房の設定温度を1度下げると約10%の節電効果があります。
環境省が推奨している室温は、夏は28度、冬は20度を目安にしています。
1度変えるだけでも大きな節電効果が得られるため、エアコンの設定温度を確認してみましょう。
また、エアコンのフィルターを掃除するとエアコンのファンが正常に稼働するので節電効果があります。
冷蔵庫の設定温度を見直す
季節によって冷蔵庫の温度設定を変えて電気代を節約するという方法もあります。
夏は「強」、春秋冬は「中」に設定することで節約できます。
また、冷蔵庫内をきちんと整理整頓すれば、冷蔵庫内の空気が上手く循環され無駄な電気代を使用することも減ります。
テレビの明るさを調整する
テレビの画面の明るさとコントラストは、視聴の快適さだけでなく電力消費にも影響を与えます。
明るすぎる設定は電力消費が増えるため、照明の明るさや視聴環境に応じて適切に設定することが重要です。
通常、昼間は明るめの設定で問題ないですが、夜間は暗いシーンも見やすくするために明るさを下げることで消費電力を抑えることができます。
LED電球に交換する
従来の白熱電球や蛍光灯に比べて、LED電球は消費電力が少なく寿命も長いです。
徐々にLED電球に切り替えていくと、電気代の節約につながります。
LED電球は衝撃にも強く壊れにくいメリットもあります。
家電製品のメンテナンスをする
定期的に家電製品のフィルターの掃除やメンテナンスを行うことで、効率的な動作を維持し、電力消費を抑えることができます。
特にエアコンや冷蔵庫の冷却装置は、定期的に掃除して清潔にしましょう。
無駄な電力消費をしないようにします。
電源やスイッチをこまめに切る
電気はコンセントにプラグを差しているだけで待機電力が消費されます。
電化製品のメモリや時計、モニター表示を内蔵しているものは電力を消費しています。
待機電力は、家庭での電力消費の約5%を占めていると言われています。
1ヵ月以上使わない電化製品がある場合は、こまめにコンセントを抜いておきましょう。
また、電源やスイッチも必要な時だけ使用するようにこまめに切っておくと節電になります。
古い家電を省エネ型に買い替える
近年の家電製品は、消費電力を抑えることができる省エネ機能を搭載したものが多く普及しています。
省エネ法により年度ごとに省エネの目標基準が設定されており、各メーカーが目標値を達成できるようにエネルギー効率の良い製品の開発を進めています。
古くなった家電製品を使うよりも新しい家電製品に代えたほうが長く使うとお得になります。
部屋の断熱性を改善する
古い窓やドアは断熱性が低く、外気や室内の温度が逃げやすいです。
断熱性の高い窓やドアに交換することで、室内の温度を安定させ、冷暖房の使用頻度を減らすことができます。
また、窓に断熱フィルムを貼ることで、効果的に断熱性を向上させることもできます。
太陽光発電システムを導入する
太陽光パネルを屋根に設置することで、家庭での電力消費の一部を自家発電で賄えます。
これにより、電気代を大幅に削減することが可能です。
自治体や国の補助金や税制優遇措置を活用することも考えましょう。
電力会社や料金プランを見直す
2016年の電力の自由化により、電力会社を自由に選べるようになりました。
電力会社では様々な電気料金プランがあります。
今のライフスタイルに合わせて電気料金プランを見直してみましょう。
各電力会社の公式サイトでは、ライフスタイルに合った電気代の計算シミュレーションをすることができます。
電気代節約のコツと賢い選択
電気代を節約するためには、日々の使い方に少しの工夫を加えることが重要です。
エアコンの温度調整やLED電球への切り替え、家電製品のメンテナンスなど、すぐにできる節約方法を実践することで、確実に電気代を抑えることができます。
また、電力会社や料金プランを見直すことも大きな節約につながります。
もし、より安い電気料金プランを探しているなら、国内最大級の電力・ガス比較サイト【エネチェンジ】を利用するのがおすすめです。
自分にぴったりのプランを簡単に見つけることができ、電気代をさらにお得にするチャンスです。
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