会社倒産は突然やってきます。
経済の変動や予期せぬ外部要因(リーマンショック・コロナ禍など)により、企業の経営が悪化し、最悪の場合「倒産」してしまうことがあります。
会社が倒産すれば、給料の未払いや職の喪失といった深刻な影響が従業員に及びます。
失業保険などの公的サポートはあるものの、生活を安定させるには早めの転職準備やリスク管理が必要不可欠です。
本記事では、会社倒産の予兆となる7つのサインと、実際に倒産した際に社員がとるべき行動・手続きについてわかりやすく解説します。
会社倒産で起きる影響とは?

会社が倒産すると、日常生活やキャリアに大きな変化が起こります。
給料が支払われない
会社が倒産すると、経営活動が停止し、従業員への給料支払いも行われなくなります。
資金繰りが限界に達し、賃金を支払う能力がないと判断されると、労働基準監督署が「賃金支払い不能」と認定します。
これにより、働いた分の給与や残業代、退職金が未払いのままになる恐れがあります。
生活に直結する給料が突然途絶えることで、家計への影響は非常に大きく、即時の対応が求められます。
職を失うことになる
会社の倒産は、従業員にとって「突然の失職」を意味します。
企業が法的に解散されることで、雇用契約は強制的に終了となり、働く場所がなくなります。
これにより、毎月の収入が絶たれ、生活の安定が一気に崩れる可能性があります。
特に家族を養っている場合やローンの返済がある場合は影響が深刻です。
次の職を見つけるまでの間にどのように生活を立て直すか、早めの準備が重要です。
会社倒産の予兆7つ|見逃さないためにチェック

会社の倒産は突然に思えるかもしれませんが、内部では徐々に兆候が現れているものです。
以下のようなサインが見られたら、注意が必要です。
経営陣(役員)が次々に辞任する
会社の役員は、会社の経営に携わっているため、内部情報に関しては精通しています。
会社の経営状態が良くなく、立て直すのは困難と判断すると辞めていきます。
同時に複数の役員が辞めてしまうような場合は、注意が必要です。
経理責任者が辞める
経理部門はお金の管理をする部門なので、取引先の支払いや給料の支払いを担当しています。
会社のお金に関しては役員より知っているため、会社の経営が厳しくなるといち早く知ることができます。
入社したての事務員などは、詳しくお金の管理をしていることは少ないですが、経理の責任者が退職していくと注意が必要です。
希望退職者を募集する
経営状態が悪くなると、人件費の支払いは大きな負担になります。
会社が一方的に従業員を解雇することはできないため会社が希望退職者を募集し始めます。
リーマンショックの時やコロナ禍の時も、大手企業が希望退職者の募集を行いました。
会社が退職金を払えるので、まだ余力がありますが、今後の見通しは良くありません。
極端な経費削減が行われる
会社としては、利益が少ない分、支出を抑えようとします。
常識の範囲内の経費削減なら問題ないのですが、エアコンを止められたり書類などの紙やトイレットペーパーなどの日用品まで使用制限されてしまうと倒産の前触れかもしれません。
また、忘年会、新年会の中止や社員旅行なども中止にして経費削減を行うこともあります。
設備や建物のメンテナンスがされない
メンテナンスをするお金がないので、細かいところの機械や設備までメンテナンスができません。
会社の壁が壊れていても修復していなかったり、駐車場の駐車枠の線が引き直されていなかったり、機械が油漏れしていても修復していなかったりします。
細かいところまでメンテナンスが行き届いてないと従業員のやる気もなくなります。
給料の支払いが遅れる
給料の遅延が発生するとかなり会社の経営が悪い状態です。
会社とすれば従業員の給料は、なんとしても支払わなければならないのですが、支払う余力がないため給料の遅延が発生します。
経営の立て直しができないと給料の支払いもできなくなる場合もあります。
給料の遅延が発生している場合は、賞与も出ない場合が多いでしょう。
「倒産の噂」が社内外で広がる
従業員が会社の経営に携わってなくても、経営状況が悪化するとどこからかうわさが広まるものです。
会社内からでも取引先からでも金融機関からでも情報は広まってしまいます。
経営が悪いとうわさが広まると注意が必要です。
会社が倒産したら社員がとるべき対処法

突然会社が倒産してしまったら、どのように行動すればよいのでしょうか。
焦らず、以下のステップに沿って冷静に対応しましょう。
正確な情報を集める
急に倒産してしまうと、何をどうすればいいか分かりません。
まずは、会社の倒産の理由や状況を正確に把握するために、会社からの情報や報道などを確認します。
情報を集めた後に、その後の手続きを進めていきましょう。
法的な手続きに備える
倒産手続きに関する法的手続きを準備し、対応していきましょう。
倒産の種類によって異なりますが、会社清算手続きや債権者集会への参加、債権の申告などがあります。
専門家や法律顧問の助言を受けることも重要です。
雇用関係の確認
従業員として、雇用関係に関する権利や補償を確認しましょう。
倒産に伴う解雇や賃金未払いに関する法的権利を理解し、必要な手続きや申請を行います。
また、失業保険や再就職支援制度についても理解しておきましょう。
未払い賃金の立替制度を利用する
会社が倒産し給料が支払われない場合、労働者健康福祉機構の「未払賃金立替払制度」を利用できます。
この制度は、未払いの賃金や退職金の一定割合を機構が立て替えて支払うもので、労働者の生活を支えるための救済措置です。
上限金額は年齢によって異なり、30歳以上45歳未満で最大176万円、45歳以上で最大296万円まで受け取れます。
ただし全額ではなく8割程度が支給されるため、早めの申請が大切です。
失業保険の申請(会社都合退職)
会社が倒産し「会社都合退職」となる場合、失業保険の申請が可能です。
会社都合退職は自己都合よりも手厚い給付が受けられ、給付開始までの待期期間も短縮されます。
ハローワークで必要書類を提出し、離職票をもとに申請手続きを行います。
給付期間も長く設定されているため、安心して次の就職活動に専念できます。
早めの手続きが、生活の安定につながる重要なポイントです。
健康保険・年金の切り替え
会社が倒産すると、健康保険と年金の切り替えが必要になります。
健康保険は「国民健康保険」への加入か、一定期間会社の健康保険を継続できる「任意継続被保険者制度」を選べます。
任意継続は最長2年間利用可能ですが、保険料は全額自己負担です。
年金は「国民年金」に切り替え、市区町村や年金事務所で手続きを行います。
収入が減った場合は保険料の免除や軽減申請もできるため、早めの対応が重要です。
家計の見直し・生活防衛
会社が倒産すると収入が途絶えるため、家計の見直しと生活防衛が不可欠です。
まず、毎月の支出を洗い出し、無駄な出費を削減しましょう。
食費や光熱費、通信費などの固定費も節約ポイントです。
貯蓄や失業保険を活用し、最低でも3ヶ月分の生活費を確保しておくと安心です。
収入が減る期間を見越し、計画的な支出管理と必要に応じた生活スタイルの見直しが大切です。
メンタルケアも大切に
会社の倒産は精神的なストレスや不安を大きく引き起こします。
心の健康を守るためには、家族や友人と話すことで気持ちを共有したり、趣味や運動でリフレッシュすることが効果的です。
また、必要に応じて専門のカウンセリングや心理的支援を受けることも検討しましょう。
無理をせず、自分のペースで心のケアを行うことが、次の一歩を踏み出す力につながります。
次の就職先を探す
会社が倒産した後は、新しい職場を早めに探すことが重要です。
ハローワークや転職サイトを活用して求人情報を収集し、履歴書や職務経歴書を準備しましょう。
自己分析を行い、自分の強みや希望する働き方を明確にすることで、適切な職場を見つけやすくなります。
面接対策も忘れずに行い、前向きな気持ちで挑むことが成功へのカギです。
焦らず、計画的に就職活動を進めましょう。
会社倒産に備えて今できること
会社倒産は突然の出来事ですが、予兆を知っておくことで早めの対策が可能です。
倒産後の手続きや生活の立て直しも重要ですが、何より次の職場探しが大切です。
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