社会人になりたての頃、私は「報連相」(報告・連絡・相談)が本当に苦手でした。
「こんなことで相談していいのかな?」
「報告したら怒られるかもしれない」
「忙しそうだから声をかけづらい」
そんな思いから、報連相を避けてしまい、トラブルが大きくなったり、上司からの信頼を失ったりした経験もありました。
この記事では、なぜ私が報連相に苦手意識を持っていたのか、そしてどのようにして克服できたのかを、実体験をもとにお伝えします。
同じ悩みを抱える方の参考になれば幸いです。
なぜ報連相が苦手だったのか

報連相が苦手だと感じる原因は人それぞれですが、私の場合は心の中にいくつかの引っかかりがありました。
まずは、その代表的な理由から見ていきましょう。
怒られるかもしれないという恐怖心
過去に上司へ報告や相談をした際、思った以上に厳しい口調で返されたことがありました。
それ以来、「何か言ったら怒られるかもしれない」という不安が先に立ってしまい、報連相そのものが怖くなってしまいました。
今思えば、上司にとっては冷静な注意だったのかもしれませんが、当時の自分にとっては大きな心理的な壁になっていました。
タイミングが分からない
上司が忙しそうにしていると、どうしても声をかけづらく感じてしまいます。
「今じゃない方がいいかも」「あとでにしよう」と後回しにしているうちに、報告や相談のタイミングを完全に逃してしまうことがよくありました。
結果として、「なんでもっと早く言わなかったの?」と指摘される悪循環に。
声をかける“きっかけ”がつかめないのが、苦手意識につながっていました。
「自分で何とかしなければ」という思い込み
仕事は「自分で責任を持つべき」と思いすぎるあまり、問題が起きてもすぐに相談せず、ギリギリまで自力で何とかしようとしていました。
実際には、自分ひとりで抱えるには難しい内容だったり、方向性を間違っていたりすることもあり、結局周囲に迷惑をかけてしまうことに。
「相談=弱さ」ではなく、「早めの共有=信頼される行動」と気づくまでに時間がかかりました。
何をどう伝えればいいか分からない
報連相の場面で、自分の中で情報や考えが整理できておらず、いざ話そうとしても「結局何が言いたいの?」と聞かれてしまうことがありました。
その経験から、話す前に混乱し、うまく言葉にできないことが増え、「じゃあもう黙っていた方がいいかも」と消極的になるように。
報連相の苦手意識の裏には、伝え方への自信のなさも大きく影響していたと思います。
「迷惑をかけたくない」という遠慮
上司や先輩が忙しそうな姿を見ると、「こんなことで時間を取らせたら申し訳ない」と感じてしまい、報連相を遠慮してしまうことがよくありました。
本当は話した方が良いと分かっていても、相手に負担をかけたくないという思いが先に来てしまい、結果として情報共有が遅れてしまう。
優しさのつもりが、逆にチームにとってマイナスになるという矛盾にも気づけませんでした。
苦手なままにしておくとどうなるか

苦手意識をそのまま放置してしまうと、仕事や人間関係にさまざまな悪影響が出てしまいます。
具体的にどんな問題が起こるのか、詳しく見ていきましょう。
小さなミスが大きなトラブルに発展する
報告や相談をせずに「自分だけでなんとかしよう」としていると、最初は小さなミスでも、周囲が気づけずに手遅れになることがあります。
特にチームで動いている場合、自分だけの判断ミスがプロジェクト全体に影響するケースも。
早めに報連相していれば簡単に済んだはずの問題が、大きなトラブルになるリスクが高まります。
周囲からの信頼を失う
報連相が少ないと、「この人、今どんな状況なんだろう?」と周囲が不安に感じるようになります。
本人は一生懸命やっているつもりでも、伝わらなければ評価されません。
「何を考えているか分からない」「協力しにくい」と思われ、少しずつ信頼やチームワークが崩れていくのはとてももったいないことです。
判断ミスや孤立につながる
誰にも相談せず、自分一人で判断してしまうと、視野が狭くなり誤った選択をしてしまうリスクが高まります。
また、何かあった時に「どうして言ってくれなかったの?」と責められ、自分だけが孤立してしまうことも。
報連相はただの伝達ではなく、正しい判断と孤立回避のための大事な手段でもあります。
自分の成長の機会を逃す
報連相の中には、上司や先輩からのアドバイスやフィードバックが含まれることが多くあります。
相談しないことで、せっかくの学びや気づきを得るチャンスを自ら手放してしまっているのです。
結果として、同じミスを繰り返したり、いつまで経っても成長実感が得られなかったりと、長期的に損をすることになります。
精神的な負担が増える
「言わなきゃ」と思いつつ言えない状態が続くと、心の中でモヤモヤが溜まり、どんどん苦しくなっていきます。
仕事の内容よりも、報連相そのものがストレスになり、会社に行くのが嫌になることも。
実際、私も相談できない状態が続いたとき、仕事に対する自信もやる気も失ってしまいました。
放っておくと、メンタル面にも大きく影響します。
苦手を克服するために私がやったこと

苦手意識を克服するためには、少しずつ自分なりの工夫を重ねることが大切です。
私が実践して効果を感じた具体的な方法をご紹介します。
話す前に簡単なメモを作る
いきなり話そうとすると頭が真っ白になるので、話す前にメモ帳やスマホで「現状・問題・聞きたいこと」を3行くらいで整理していました。
メモを見ながら伝えることで緊張がやわらぎ、言い忘れや説明不足も防げます。
相手に伝わるように意識するだけで、報告や相談がグッとスムーズになりました。
話す内容を「見える化」するだけでも大きな効果があります。
言い方を変えてハードルを下げる
「相談させてください」と言うと少し大げさに聞こえてしまい、自分も身構えてしまうので、「確認させてください」「一度共有しておきたくて」といった言い回しに変えました。
言葉のトーンを少し柔らかくするだけで、相手の反応も穏やかになり、自分自身の心理的ハードルも下がります。
言い方の工夫で、報連相への抵抗感が減っていきました。
メールで先に要点を伝えてから話す
対面でいきなり話すのが苦手だったので、まずはメールで「○○の件、ご相談があります」と要点だけを先に送るようにしました。
これで相手も構えることなく状況を把握でき、話すときもスムーズに本題に入れます。
特に忙しい上司とのやりとりでは、この方法がとても有効で、報連相のストレスをかなり減らすことができました。
小さなことでも共有する習慣をつける
「これは言うほどのことじゃないかも」と思って黙っていたことが、後から問題になることが多かったので、意識的に小さな進捗や気づきも共有するようにしました。
「言いすぎかな?」と思っても、「よく報告してくれた」と感謝されることが増え、自信につながりました。
報連相は“結果”より“プロセス”も含めて伝えることが大事だと実感しました。
報連相は信頼を築く行動と考える
以前は「相談=迷惑をかけること」と思っていましたが、上司の立場になって考えてみると、部下からこまめに共有される方が安心できることに気づきました。
報連相は怒られないための義務ではなく、チームで信頼関係を築くためのコミュニケーションなんだと、考え方を少しずつ変えていきました。
この意識の変化が、一番の転機だったかもしれません。
少しずつ変わったこと

続けて取り組むことで、少しずつ自分や周りの環境にも変化が現れてきました。
具体的にどんな変化があったのか、ご紹介します。
上司との会話が楽になった
以前は上司に話しかけるだけで緊張していましたが、報連相を意識的に続けていくうちに、自然と会話のハードルが下がっていきました。
こちらから報告や相談をすることで、相手の反応も柔らかくなり、必要以上に構えなくてよくなったのです。
日々の小さなやりとりが積み重なり、上司との距離が近く感じられるようになりました。
感謝されることが増えた
以前は「何か言うと怒られるかも」という不安ばかりでしたが、報告や相談を丁寧に行うようになると、「早めに言ってくれて助かった」「共有してくれてありがとう」と言われることが増えました。
報連相は“怒られないための行動”ではなく、“相手の助けになる行動”なんだと実感し、自信にもつながるようになりました。
ミスを早めにリカバリーできるようになった
トラブルの芽を早い段階で共有できるようになったことで、上司やチームと一緒にすぐ対処できるようになりました。
以前は黙っているうちに状況が悪化していましたが、早めに声を上げることで、結果的にミスも小さく抑えられるようになったのです。
報連相が「リスクを減らす行動」だと体感できた瞬間でした。
自分の仕事に対する安心感が増した
報連相を積極的に行うようになってから、「この進め方で合ってるのかな?」「間違ってたらどうしよう」という不安が減りました。
都度確認や相談ができているので、迷ったときに軌道修正もしやすくなり、安心して仕事を進められるようになりました。
誰かに見守られているような感覚が、精神的な支えにもなっています。
自分の成長を実感できるようになった
報連相を通じて、上司や先輩から的確なアドバイスをもらえる機会が増え、少しずつ「考えて動けるようになったね」と評価されるようになりました。
苦手意識のせいで成長の機会を逃していたことに気づき、今では相談の時間すら「自分を伸ばす大事な時間」と思えるように。
小さな積み重ねが、確実に自分を変えてくれました。
報連相は少しずつ慣れていけばいい
報連相は、最初から完璧にできる必要はありません。
むしろ「苦手かも」と感じている時点で、丁寧にコミュニケーションを取ろうとしている証拠だと思います。
私自身も、失敗と不安の繰り返しの中で、少しずつやり方や考え方を変えてきました。
そして今では、「報連相ができることは、仕事の強みになる」と心から実感しています。
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