会社が倒産すると、多くの人や企業に大きな影響を与えます。
取引先への支払いが滞り、商品の供給ができなくなるほか、従業員は解雇され収入が途絶えるなど、生活や仕事に深刻なデメリットが生じます。
この記事では、会社倒産の主な原因とその影響を6つに分けて解説します。
さらに、倒産後の具体的な対処法や心構えについても紹介します。
会社倒産の主な原因
会社が倒産に至る背景には、さまざまな要因があります。
以下で代表的な原因を挙げてみましょう。
販売不振や客足の減少
会社は売上げを上げて収益を伸ばさないと経営していけません。
販売数や客足の低下で売上げが下がると経営が悪化し、会社の倒産につながります。
経営者の判断能力や経営力がしっかりしていなければなりません。
原材料の価格高騰や供給不足
原材料の高騰により会社の利益が圧迫され経営難に陥ります。
販売先に値上げのお願いをしても受け入れてもらうことが困難だったり、値上げにより商品が売れなかったりする恐れがあります。
また、様々な社会情勢や天候などにより原材料の入手ができず供給できなくなることもあります。
売掛金の回収不能
取引先が倒産したりすると売掛金の回収が不能になります。
倒産企業が大きな取引先であればあるほど自社への影響が大きく経営資金がなくなります。
取引先の倒産は、いつ起こるか分からないため情報集めが大切ですし、倒産した場合はすぐに商品の供給をとめるなど対処する必要があります。
人手不足による業務停滞
人手不足のため会社の業務が滞ってしまいます。
一人当たりの仕事量が多くイライラしたり、退社したりする人が出てきてさらに会社の業務がまわらず悪循環になってしまいます。
働きやすい環境でないと人手を集めることは困難でしょう。
経営者の怠慢や判断ミス
経営者の怠慢経営により会社の状態が悪くなります。
会社の技術力が低い、会社の知名度が上がらない、良い人材の確保ができないなど経営者の手腕が良くないと会社の業績が下がってしまいます。
時代に合わせて会社の経営も変化させていかないと会社の継続も難しくなってしまいます。
関連企業の倒産連鎖
会社がグループ会社だったり、下請け企業の場合、関連企業が倒産してしまうとその煽りを受けて売り上げが下がってしまい経営が回らなくなってしまうこともあります。
取引先が少数で依存度が高いと関連企業が倒産した場合大きな損害を受けてしまいます。
倒産する企業が連鎖的に発生します。
病気・事故・天災などの予期せぬトラブル
病気や事故などの不測の事態によって経営者がいなくなり会社経営を辞めてしまうこともあります。
また、天災により思わぬ経費が発生したり、機械が故障したりと資金が回せなくなってしまうこともあります。
想定外のことが起こるとそれまでの経営が順調でも一気に倒産に追い込まれる場合もあります。
在庫管理の失敗
商品が売れず在庫過多でなかなか黒字にならなくて結局処分してしまい利益が出せないと事業が失敗に終わります。
商品の在庫を保管するだけでも経費がかかるため早めに発送を完了させたいものです。
食品だと賞味期限があるので期限を過ぎてしまったものは破棄され損失になってしまいます。
エース級社員の退職
会社で重要な業務をしている人や大きく売上げに貢献してくれている人などエース級社員の退職によって業績が悪くなり会社が倒産してしまうこともあります。
エース級社員が他の会社に引き抜かれたり、条件の良い会社に転職したりすることは往々にしてあります。
エース級社員に頼るだけではなく社員全員が会社に貢献できるように教育することが大切です。
過剰な設備投資
会社の設備投資には多額の資金が必要になります。
会社に見合った設備投資をしないと不要な経費がかかったり、無駄な経費が発生したりします。
今後の売上げや売り先を見越して少しずつ設備投資をして、経営の方向がずれてきたらすぐに修正できる余力は残しておきましょう。
後戻りのできない設備投資はリスクが大きいです。
後継者問題
高齢化が進み事業によっては後継者がいなくて会社を辞めざるを得ないこともあります。
資金力のない町の小さな工場や高齢者が経営している食堂は将来の見通しが立たない状況も多いでしょう。
新しい人を募集する資金もないため泣く泣く店を閉じてしまいます。
不祥事による信用低下
会社にとって信用力はとても大切です。
お客さんを欺くような行為をすると信用力が大きく低下し、その会社の商品を買ってもらえなくなります。
食品であれば食中毒が起きると信用力が低下し、製品であればルールに沿った製造がされているかデータの改ざんはされていないかしっかり管理する必要があります。
社員も社会人として秩序を乱すことのない行動が大切になります。
会社倒産がもたらす6つの影響
会社が倒産すると、どのような影響が起きるのでしょうか。
主な6つの影響を紹介します。
会社自体がなくなる
会社が倒産したら会社の資産はすべてなくなります。
社員も全員解雇となり会社として経営できなくなってしまいます。
自分自身に大きな影響を受け、取引先、関係先にも大きな影響を与えてしまうことになります。
従業員の仕事と収入がなくなる
会社がなくなってしまうので当然、社員の仕事もなくなってしまいます。
賃金の未払いや退職金の未払いなど多数の社員がいればいるほど大きな影響が出ます。
急に仕事がなくなってしまうので社員は路頭に迷ってしまうでしょう。
取引先企業にも大きな影響が及ぶ
会社の倒産によって取引先の企業にも影響が及びます。
商品を納められなくなったり、お金の支払いができなくなったり取引先企業の今後の仕事のやり方も変えてもらわなければなりません。
また、今まで行っていた仕事が他の企業にしてもらわなければならなくなったり、グループ企業が連鎖的に倒産してしまう場合もあります。
多くの取引先の企業に影響が及びます。
消費者に商品やサービスを提供できなくなる
会社が倒産することによって自社の商品を作ることができなくなり、消費者に商品やサービスを提供できなくなります。
自社の商品やサービスを愛用してくれていた人やリピーターとして何度も買ってくれていた人には悲しい思いや残念な思いをさせてしまうことになります。
自社でしか販売できない商品や特殊な商品であれば消費者にも大きな影響を与えることになるでしょう。
様々な手続きに追われる
会社の倒産により社員は解雇されるので、雇用保険、社会保険、住民税の手続き、源泉徴収票の交付など様々な手続きが必要になります。
手続きは、退職日より期限がある場合もあるので早急に行うようにしましょう。
収入がないと生活にも影響するので、しっかりと手続きをすることが必要です。
新しい仕事を探さなければならない
会社が倒産すると収入がなくなってしまうため新たな仕事を探さなくてはなりません。
ハローワーク、就職・転職サイト、求人広告など様々な探し方があるので、自分のやりたいこと得意なこと仕事でできそうなことを探してみましょう。
いろいろな経験を積んでたくさんのスキルが身に付けばどこの会社でも仕事をしていくことができるでしょう。
近年の会社倒産の背景
近年の会社倒産の背景を紹介します。
リーマンショック
2008年(平成20年)9月15日に投資銀行の「リーマン・ブラザーズ・ホールディングス」がサブプライム住宅ローン危機がきっかけとなり経営破綻し、そこから連鎖的に世界金融危機が発生しました。
リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの負債総額は約6000億ドル(約64兆円)にものぼりアメリカの歴史上最大の企業倒産であり、1929年に起きた世界恐慌以来の出来事になります。
日本でも日経平均株価が12,214円から一時6,994.90円まで下落しました。
多くの企業が仕事がなくなり休日になったり、派遣切りが発生する事態になりました。
新型コロナウイルス関連倒産
2019年12月に新型コロナウイルス感染症が初めて報告され世界的に流行しました。
コロナウイルス感染対策のために3密を避ける行動やマスクの着用、うがい手洗いをすることが求められ仕事や生活の仕方も変化させなければならなくなりました。
消費活動の停止により企業の経営が厳しくなり、飲食店、旅行関連、製造業、サービス業などが特に大きな影響を受け多くの企業が倒産しました。
会社倒産後の対処法と心構え
倒産のショックは大きいですが、冷静に対処することが重要です。
現実を受け入れる
最初にするべきことは、現実を受け入れることです。
会社が倒産するとショックや悲しみ、怒りなど、さまざまな感情が湧き上がるかもしれませんが、それらを受け入れ、自分の感情を落ち着かせることが大切です。
精神的につらいことですが、起きてしまったこと考えていても解決しません。
現実を冷静に受け止め、次のステップを考える準備をしましょう。
情報収集と理解
倒産の原因や状況を理解するために、できる限りの情報を収集しましょう。
会社の財務状況や倒産手続き、従業員の権利などについて、法的なアドバイスや専門家の意見を求めることが役立ちます。
周囲の社員の人とも相談をしましょう。
ポジティブな姿勢を保つ
会社の倒産は失敗や挫折で落ち込んでしまいますが、それを乗り越えるためにポジティブな姿勢を保つことが重要です。
自分にとって学ぶべきことがあったり、新しい知識を得ることができたなどと誰もが経験できないことを経験できたと考えましょう。
未来に向けて新たな可能性やチャンスが待っているかもしれません。
経験を活かす
会社が倒産した経験は貴重なものです。
過去の失敗や成功から学んだことを活かし、将来のキャリアやビジネスに活かすことができます。
大きな挫折を経験すると将来、逆に大きな成功を手にするチャンスが広がります。
サポートを求める
会社の倒産は一人で抱え込む問題ではありません。
今後のことを考えるとストレスや不安を抱えてしまうことがあります。
家族や友人、専門家、カウンセラーなど、サポートを求めることが重要です。
感情を共有し、助言や支援を受けることで、精神的にも楽になり良い方向へと進むことができます。
将来に向けて計画を立てる
会社の倒産は一時的には精神的につらいものではありますが、将来に向けて計画を立てることが重要です。
将来に向けて計画を立てるときは、今の状況をしっかり理解し、達成したい目標をはっきり決めることが大切です。
経済の動きや会社の環境を考えながら、問題が起きても対応できるように柔軟な計画を作りましょう。
目標を定め、新しい仕事探しやスキルアップに取り組みましょう。
倒産後に知っておきたいことと転職サポートのご案内
会社倒産のリスクや影響をしっかり理解し、万が一に備えることが大切です。
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